大型定盤のメンテナンス事例|サビ・凹凸を除去するヘール仕上げ加工

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長年使用してきた大型定盤は、経年劣化や使用環境の影響により、表面にサビや凹凸、摩耗などが生じることがあります。こうした表面状態の変化は、ワークや治具の設置精度を低下させ、加工・組立作業に影響を及ぼす原因となります。

しかし、状態によっては定盤を新しいものに交換するのではなく、既存の定盤を切削加工によって整備し、再利用することが可能です。

今回は、長年使用された大型定盤のメンテナンス事例として、ヘールバイトによる上面仕上げ加工から、搬出までの一連の流れを写真とともにご紹介します。

大型定盤のメンテナンスが必要な理由

定盤は、金属部品の加工や溶接、組立、検査などにおいて、ワーク(加工対象物)や治具を安定して設置するために使用される設備です。

長期間使用していると、サビや腐食、傷、摩耗などによって表面の状態が変化し、本来求められる平面精度を維持できなくなる場合があります。

特に、定盤表面のサビや凹凸は、次のような問題につながるおそれがあります。

  • ワークや治具の設置が不安定になる: 表面の凹凸によって接触状態にばらつきが生じる。
  • 位置決め精度が低下する: 定盤表面の状態が悪化すると、ワークや治具を正確に設置しにくくなる。
  • 加工・組立精度に影響する: 基準となる面の精度が低下することで、その上で行う作業の品質に影響を及ぼす可能性がある。

こうした問題を改善する方法の一つが、定盤上面の再加工です。

サビや凹凸が生じた表面を適切に切削することで、表面状態や平面精度の改善を図り、定盤本来の機能を活かした再利用につなげます。

大型定盤のメンテナンス工程

今回のメンテナンスでは、長年使用された大型定盤に対し、ヘールバイトを使用した上面仕上げ加工を行いました。

加工前から加工完了までの変化をご紹介します。

1. 加工前|サビや表面の荒れが見られる大型定盤

加工前の定盤は、長年の使用によって上面にサビや変色が生じ、表面の状態にばらつきが見られます。

写真では、ワークや治具の固定などに使用されるT溝が設けられた大型定盤の状態を確認できます。

このような表面状態では、ワークや治具の接地が不安定になる可能性があるため、上面の再加工によって表面状態を改善していきます。

メンテナンス前のサビや変色が見られる大型定盤

2. 加工途中|ヘールバイトによる上面仕上げ加工

定盤の上面には、ヘールバイトを使用した切削仕上げ加工を行います。

ヘールバイトは、金属表面を精度よく仕上げるために使用される切削工具の一つです。

定盤の表面を削り直すことで、サビや凹凸を除去するとともに、表面状態と平面精度の改善を図ります。

加工途中の写真では、切削によって発生した金属の切りくずと、新たに削り出された表面を確認できます。

このように、既存の定盤を切削加工によって整えることで、ワークや治具を安定して設置できる状態へと仕上げていきます。

大型定盤の上面切削加工中に発生した切りくずと加工面

3. 加工完了|定盤上面を整え、再利用できる状態へ

ヘールバイトによる上面仕上げ加工が完了しました。

加工前に見られた表面のサビや荒れを切削によって除去し、定盤上面を整えました。

加工完了後の写真では、T溝を残した状態で、上面全体に規則的な切削痕が形成されていることが分かります。

表面状態や平面精度の改善を図ることで、ワークや治具を安定して設置するための条件を整え、既存定盤の再利用につなげます。

ヘール仕上げ加工によって上面を整えた大型定盤

4. 搬出

クレーンを使用して大型定盤を吊り上げ、搬出します。

大型定盤をクレーンで搬出する様子

大型定盤を再加工するメリット

長年使用した定盤でも、材質や摩耗、腐食の程度などによっては、再加工によるメンテナンスが可能です。

既存の定盤を再加工することには、主に次のようなメリットがあります。

  • 表面状態の改善: サビや傷、凹凸などを切削によって取り除き、定盤上面を整えることができる。
  • 平面精度の改善: 使用に伴って変化した上面を削り直し、必要な平面精度への改善を図ることができる。
  • 設備の長寿命化: 既存の定盤を再利用することで、継続使用につなげられる。
  • 資源の有効活用: 定盤全体を交換せずに使用を続けられる場合があり、資源の有効活用や設備更新費用の抑制につながる。

ただし、すべての定盤が再加工できるわけではありません。腐食や摩耗の程度、残りの板厚、必要な仕上がり精度などを考慮し、加工の可否を判断する必要があります。

まとめ

大型定盤は、長年の使用によって表面にサビや凹凸、摩耗などが生じることがあります。こうした状態を放置すると、ワークや治具の設置が不安定になり、加工・組立精度に影響するおそれがあります。

今回ご紹介したように、ヘールバイトによる上面仕上げ加工で定盤表面を削り直すことで、表面状態や平面精度の改善を図り、既存設備の再利用につなげることができます。

適切なメンテナンスを行うことは、定盤本来の機能を維持するとともに、設備の長寿命化や資源の有効活用にもつながります。

飯島マシナリーでは、12mプレーナーや6mプレーナーなどの大型加工設備を保有し、大物金属加工や定盤の面加工に対応しています。

大型定盤のサビや凹凸、平面精度の低下などでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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